国籍としての日本人と、民族としての日本人

日本国籍、中国国籍等を有する者を総称して、「日本」、「中国」等と呼ぶことがある。

 

他方で、同一民族の一員であることを表す場合にも、このような言い方がされることがある。

 

同じ呼び方をされても、国籍民族は、区別される。

 

国籍とは、「人が特定の国の構成員であるための資格」や「政治的に組織された共同体である国家の構成員としての資格」などと言われる。

 

これは、「言語、宗教、思想、風俗等の文化を共通にする人々の共同体」を意味する民族という概念とは、異なる。

 

それでは、日本国籍は、どうすれば持てるのだろうか。

 

これは、明確に定まっている。

 

憲法において、法律で定めるとされ、それを受けて、国籍法で、①出生、②帰化、③届出の、3つの場合が規定されている。

 

話題の蓮舫さんは、③届出による国籍取得で、日本国籍を取得しているようだ。

 

通常、①出生の場合が、圧倒的に多い。

 

帰化と③届出の数字は、法務省のホームページにある。

 

帰化は、最近なら、年間10,000人くらい。

管理人は、初めて知ったとき、すごく多いと感じたが、皆さんはどうだろうか。

http://www.moj.go.jp/content/001180510.pdf

 

③届出は、1,000人ちょっと。

http://www.moj.go.jp/MINJI/toukei_t_minj03.html

 

それでは、憲法の該当部分と、国籍法の該当部分(今回は、①出生の場合の部分のみ)を見てみる。

 

ほとんどのみなさんが、国籍的に日本人であることは、この規定のためだが、知っていただろうか。

 

管理人は、何十年も知らずに、というか、考えたこともなく、生きてきた(笑)


日本国憲法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html

 

第十条    日本国民たる要件は、法律でこれを定める。

 

 

国籍法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO147.html

(この法律の目的)
第一条   日本国民たる要件は、この法律の定めるところによる。

 

(出生による国籍の取得)
第二条   子は、次の場合には、日本国民とする。
一   出生の時に父又は母が日本国民であるとき。

二   出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であつたとき。

三   日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき。

 

ちょっと話はそれるが、今日、ネットを見ていて、気になったことがいくつかある。

 

そのうちの1つは、次の記事。


これは、池田さん(アゴラ)の記事である。
http://agora-web.jp/archives/2022253.html

 

公選法では被選挙権を「日本国民」と定めていますが、日本国民って何でしょうか。国籍法では「出生の時に父または母が日本国民であるとき」などと定めています。蓮舫さん戸籍上は日本国民になったといっていますが、戸籍謄本を見せないので証拠はありません

 

※ 太字は、管理人による。


これは、明らかに誤解である。


蓮舫さんは、現在、国会議員である。

 

選挙に立候補するときに、戸籍謄抄本を提出しなければならない。

管理人注

 

公職選挙法の「第九章 公職の候補者」以下で、立候補する際に必要な書類として、「その他政令で定める文書 」が掲げられている。

 

これを受けて、公職選挙法施行令(これが「政令」)の「第八章 公職の候補者等 」以下で、「政令で定める文書は、次に掲げる文書とする」として、「候補者となるべき者戸籍の謄本又は抄本 」が、掲げられている。

 

条文を丁寧に掲げると、かなり複雑になるので、詳細は省略した。

 

この際に、戸籍の存在確認されているはずなので、国籍的に(法的に)日本人であることは、明らかだ(自分で志望して、外国国籍を取得すれば、国籍法11条によって、自動的に日本国籍が消え、それが戸籍に反映していない場合もありえるが、蓮舫さんは、そのようなことはないと思われる。)。

 

なお、日本国籍がある者にしか、戸籍は作られない

 

この点については 、過去記事に掲載している。

imin-nanmin-gaikokujin.hatenablog.jp

 

それと、重国籍者の人は、国籍の選択(国籍法14条1項)をしないと、確定的に日本人にならない、と思い込んでいる人も多いようであるが、これも間違いである。

 

国籍法に基づき、日本国籍を取得した者(上記の①出生、②帰化、③届出)は、取得した時点で、確定的に日本国籍取得している

 

国籍選択の義務は、確定的に有している複数の国籍のうち、どれかを選びなさい、という規定である。